吟行会(令和元年度)

令和元年10月31日

賀茂神社~室津散策~シーショア・リゾート

(兵庫県たつの市)

賀茂神社と室津散策

 

好天の一日、室津方面へ吟行をした。

ホテルのマイクロバスが賀茂神社まで送迎可能との返事を戴いていたので好都合であった。この時期、神社は本殿の修理工事をしており、来年三月ぐらいまでの予定とのことだったが、宮司様に、神社の成立ち等説明していただければ、予定時間を過ごせると考えていた。

前もってホテル「シーショア。リゾート」の井上副支配人にアプローチし、懇親会や歌会の会場、宿泊の部屋」等の説明を受け、井上副支配人の人柄から、「不安なし」との感触を得て正式に吟行会開催の地を決定した。

失敗は賀茂神社のアプローチが準備不足のため吟行詠の材料を提供できる場所となり得なかった。このことは幹事として反省している。

 

この失敗を救ってくれたのが、室津の街並みである。

今年、日本遺産に登録されたとのことで、一千三百年の

歴史を持ち播磨随一の港町として栄えた景観に「室津海一

駅館」、「室津民族館」で往時の資料を展示しており、浄一

運寺や見性寺等併せて訪れた人の関心を集めていた。

 

私が訪ねた施設で、瞳目したのは「室津海駅館」だ。

この海駅館は近世に廻船問屋として活躍した時の豪商

「嶋屋」の遺構で、嶋屋半四郎が江戸後期に建てたと云

われている。参動交代が制度化された一六三五年、往時一

六軒あった本陣の中心として役目を果たしたことは容易

に想像できる。

 

 

この時代に禁止されていた、二階建ての建物には二階だけで十一の部屋数を備え、道路から眺めた外観からは一到底想像できない大きな建物だ。建屋の構築に使われている通柱や梁·鴨居などは見事な木材を存分に使い、襖」には竜野城お抱えの絵師の絵画が見られ、「嶋屋」の権勢を目のあたりにした。

 

ホテル「シーショア・リゾート」は洋風の明るい健康的な施設で、懇親会には「イチボ肉のコンフィージャポネーズソース」等を食しながら自己紹介、そしてビールを頂戴しつつ、「わいわい·がやがや」と懇談にカラオケにと楽しく時間を過ごした。

また朝食にはグリーンスムージー等、ふんだんにご用意戴いたホテルに感謝申したい。

 

                         上月昭弘

(文学圏 767号 令和元年1月号より)

 



吟行会(平成28年度)

平成28年10月27日~28日

グリーンエコー笠形(兵庫県神崎郡神河町)

 

 吟行記「笠形山の神様」 ひさの盈

 平成28年度の吟行会は、神崎郡神河町にあるグリーンエコー笠形。10月27日と28日の2日間を過ごしました。参加者は21人。これまでに誌上でしか存じ上げない方や最近の歌会ではあまりご一緒する機会のなかった方も参加され懐かしく挨拶等を交わしておられました。

 1日目の昼食は、笠形御膳。あまごの塩焼きが美味しかったです。午後はグラウンドゴルフを楽しみました。雨天になればどうしようかと心配し、グラウンドゴルフの代わりに、百人一首、ビンゴゲーム、炭鉱節の踊りなどを準備していました。

 ところが雨の心配をよそに、秋晴れの上天気の下で、グラウンドゴルフを楽しみました。内山さんはホールインワンもあり19点で優勝、次に光井さん(ペンネーム向光さん)下村さん、馬場さんと続く好成績でした。

 宿舎に戻り部屋割りが有りました。間伐材を利用した木の香かおる宿舎で、お部屋の名前も、桜、梅、桃、桐など。部屋でゆっくりしたあと、懇親会までに、響の湯に浸かり、疲れを取り、皆さっぱりとした顔になりました。

 夕暮れ6時から懇親会が始まり、下村先生の開会の挨拶、井奥さんが乾杯の音頭を取って下さいました。その後、暫く会食を楽しんだ後、カラオケに移り、田角さん、下村さん達の上手な歌声を聞かせて頂きました。途中、皆で輪になって「炭鉱節」を踊り盛り上がりました。

 

 2日目、朝は曇りでしたが、次第に雨模様になり、本降りになりました。歌会は10時から、大西さんの司会で始まりました。詠草には1日目の秋空に見た鳶、鴉、笠形山、柚子の事を詠った作品がありました。歌会の後、昼食を済ませ、全員の集合写真を馬場さんに撮って貰いました。最後に皆で唱歌「ふるさと」を歌い散会しました。

 今回の参加者で最年長者は93歳、また一番若い人でも最近還暦を迎えられえた人でした。日常を離れ、文学圏の歌友の皆様と親しくさせて頂き思い出に残る秋の2日間になりました。皆さんもこれまで以上に絆を深められたようです。

 笠形山の神様の御守りがあったのかもしれません。

(文学圏 731号 平成29年2月号より)