文学圏は、終戦直後の昭和21年3月、前田夕暮の主催する「詩歌」の同人であった木村眞康を中心に岸原広明、西部治夫らが、「青少年らの情操教育の場にしよう」と創刊したものである。混沌とした社会情勢の中で、用紙すら入手困難という状況下であった。
当初は、文芸総合雑誌として出発し、短歌を木村眞康、詩を岸原広明、創作・随筆を西部治夫が担当した。発行を重ねるうちに、同志が次々と集まり、いつしか短歌誌へと変わっていった。一流一派にこだわらないのを特色とした。
昭和56年1月号で300号を達成(当時で200部の発行)し、創刊者木村眞康は、三百集のことばとして「創刊以来の僅少なる同志とともに歩んだ蛍雪の道は、今日継続の人達とともに播磨の一隅に灯した、文学の微灯は今や郷土文学の根幹になっていることは、実に感慨深いものがある」と述べている。
昭和63年7月、創刊者であり主宰であった木村眞康が逝去。その後、代表は松田道別、木村満二へと引き継がれ、現在は岩朝加都良が務めている。
なお、文学圏には創刊者の木村眞康はもとより、岸上大作など著名な歌人も文学圏に所属し、研鑽を積んでいたのである。
そして平成18年3月号でついに600号を達成し、播磨地域はもとより、全国でも有数な伝統ある短歌結社として、今後も活躍を期待されているのである。
「文学圏」1号から700号まで
昭和21(1946)年 4月 1号
昭和36(1961)年 6月 100号
昭和47(1972)年 4月 200号
昭和56(1981)年 1月 300号
平成 元(1989)年 6月 400号
平成 9(1997)年11月 500号
平成18(2006)年 3月 600号
平成26(2014)年 7月 700号