祝800号!(神戸新聞 令和4年12月15日記事)


令和4年(2022年)11月、文学圏は通巻800号を達成しました!

 

神戸新聞NEXTに掲載された記事を転載させていただきます。 


 兵庫県播磨地域在住者を中心とする短歌同人誌「文学圏」が、創刊から76年を経て、11月号で800号に到達した。終戦の半年後に総合文芸誌として誕生。おおむね月1回の発行を続け、節目を迎えた。最近10年間は同世代の女性2人が手を取り合って編集・発行に励む。2人は「これからも気を引き締めて継続し、後進にバトンを渡したい」と語る。(上杉順子)

 

 1946年3月、同県福崎町の実業家木村眞康が主宰して第1号を発行。近隣の教員や僧侶も加わった。当初は小説や詩、随筆も掲載し、次第に短歌中心に。現在も時折、随筆などを載せる。今は60~90代の約40人が作品を寄せ、毎月200部を発行する。

 

 発行人は、同県佐用町出身で姫路でも暮らした浮田伸子さん(83)=神戸市西区=、編集責任者は青田綾子さん(82)=同県市川町。2人とも40代の頃から文学圏に参加した。2012年3月から現在の役職でコンビを組み、花の北市民広場(姫路市増位新町)で毎月1回開く歌会で、ともに評者を務める。

 

 十数人が集まる歌会では、2人の軽妙な掛け合いや率直な作品評価に笑いが起こることもたびたび。一方、他の同人も言いたいことがあれば臆せず意見し「議論できるのが、うちのいいところ」(青田さん)という。浮田さんも「短歌の答えはひとつじゃないからねえ」と受けとめる。

 

 800号記念特集号には年表、表紙の変遷をたどるグラビアや関係者のエッセーを掲載。木村や、福崎町出身の歌人岸上大作ら、かつての主だった同人の文学圏時代の作品も載せた。1部800円。12月号の801号も既に出ている。

歌会で作品を評する青田綾子さん(左)と浮田伸子さん(右)=姫路市増位新町

終戦直後から発行を続け、800号に到達した「文学圏」